作為犯と不作為犯ー山形県および都庁が関係する事件から

真の「犯罪者」は?

作為犯と不作為犯

事件の関係者の一人が「私は何もしていないから犯罪には関係ない」として、その者が「だんまり」をきめ込むことがあります。この場合の「何もしていない」という人のことを「不作為者」と言います。一方、事件に直接関係した直接行為者のことを「作為者」と言います。

これを犯罪学で「作為性」を問題にした場合の犯罪行為用語に「作為犯」と「不作為犯」という分類があります。

私たちは一般的にわかりやすい形で、直接手を下した者のみを「犯罪者」として「犯罪行為」を限定してしまいがちです。しかし、実際に犯罪行為をもたらした動因、誘因や、内・外部からの圧力があった場合などの間接要因が加わることがあり、直接手を下した者のみで犯罪がなされるわけではありません。別の者が犯罪を手助けした場合や何らかの作為義務(行為義務)を負っていながら、その者が作為義務を果たさなかったことが、「犯罪行為」や「不法行為」を形成する場合があります。

【事例Ⅰ 豊洲事件

東京都豊洲市場で土壌汚染対策の盛り土をしていなかった問題、いわゆる「豊洲問題」を例にとりましょう。
東京都の担当者一同が盛り土をしないことについて、「知らなかった」と一斉に主張し、事件への関与を否定しました。この発言行為は、上記で説明した部分の「不作為」を主張することで、事件には一切関係ないと主張したのです。自分は手を下していないから、「犯罪行為」、「不法行為」を行っていないと主張しているのです。

実は、東京都庁ではこの問題が起こる以前に、部長以下の関係部署では既に、都庁の「行為義務」として「盛り土をすること」で正式に「組織」としての「意思決定」がなされ、都庁および関係職員(役員)はその決定に基づく作為義務を負っていたのです。したがって、関係者が「知らなかった」と主張しても、少なくとも「錯誤」による「犯罪行為」、「不法行為」は成立しているのです。しかし、一般的には、自らが関係する部署で決定したものに、「錯誤」を原因とすることは、実際にはあり得ないことです。単に「義務を怠った」というだけではなく、組織としての意思決定とは全く正反対の「盛り土をしない」という行為は、何らかの「動因」、「誘因」が加わり、「故意」の「犯罪行為」、「不法行為」に関与したことは確実とみられます。

犯罪学等ではこのような不作為による行為も犯罪行為とみなし、「犯罪者」または/および「不法行為者」の行為も「不作為犯」とみなしているのです。直接犯、間接犯に分けた場合では、「故意」による行為だと立証されれば、ほぼ「直接犯行為」となってしまうのではないでしょうか。

上記の例は直接の関係部署が「知らなかった」という行為について述べました。では次に、内部ではなく外部の者の犯行であるので、その事件には関係ないと主張する場合のことを考えてみましよう。やはり事例を挙げて考えてみましょう。

【事例Ⅱ 山形県中小企業診断協会の代表者五十嵐幸枝事件】

この事件はわたくしのホームページに詳しく記載している事件です。ホームページ右側のサイドバー内にも、『山形県の越権行為「音 声 証 拠」』のタイトルで事件の要約を記載しています。

「山形県が(一社)山形県中小企業診断協会(代表者 代表理事 )に会員の除名を求めた」
とする事件です。

診断協会代表者で(公財)山形県企業公社の評議員でもある五十嵐幸枝氏が、評議員先の(公財)山形県企業公社の上席役席者が同席する会合の席で、山形県から上記除名を求められたことを発表をしたのです。

上記事件は私が、捜査機関の山形県警に「刑事告訴」し、「事件受理」された事件です。山形県警が山形県を捜査対象とした事件ですので、利益相反関係も考えなければなりませんが、捜査機関の独立性があります。この事件は山形県(法定代理人 知事 吉村美栄子)や(公財)山形県企業振興公社(代表者 代表理事 )は、直接の作為者ではありませんので、犯罪行為や不法行為には全く関係ないのではと考えがちです。

上記の事件Ⅰで見た場合の不作為犯の犯罪形成を見てください。上記の場合は「知らなかった」ので「犯罪作為者」ではなかったと主張しました。事件Ⅱの場合は、事件の中には直接行為者ではない「山形県」の名が登場し、その名を使うことで犯罪が成立している場合に該当します。

この事件の場合、山形県および同機関の関係部署職員には一般人とは異なり、この種の事件には「高度の注意義務」を負っています。この事件は、外部の者によって「山形県」の名が使われていますので、「事実認否」が求められます。事件の内容が事実でない場合は、山形県が「事実否定」を行うことが求められているのです。事実否定がない場合は、裁判所での口頭弁論で、仮に「被告」となる山形県が「不知」と主張したとしても、この種の事件に高度の注意義務を持っている機関・事件ですので、「事実認否」をしない限り、事実認諾、事実容認を意味することになると考えます。

山形県(法定代理人 県知事 吉村美栄子)は、この事件内容を否定し、作為者の五十嵐幸枝氏の行動に対しては、本来は刑事事件となる行為です。最近、刑事事件として扱われている「税金還付事件」も、税務署の名を使った同様の事件構図にあります。税務署が、外部の事件だから関係ないと言うはずがありません。もし五十嵐氏の行為を検察庁が犯罪行為として取り上げなければ、行政法違反行為として処分することが求められます。行政処分行為は、申請型行為だけに限りません。非申請型義務付け行為も処分対象となると考えます。

上記の考え方から、直接の不作為者であっても、高度の注意義務を持つ者は、事実否定および処分行為の履行義務を負っているのです。その履行義務を持つ者が五十嵐幸枝氏の犯罪事実を認識していながら何もしないことは、初めに述べた履行義務の不作為による不作為犯を形成することになるのです。

(一社)山形県中小企業診断協会の役員である監事の竹川敏雄氏が虚偽の社員総会議事録を作成し、地裁で敗訴した事件では、監事の「任務懈怠」に当たることは言うまでないことですが、会員から監事への監査依頼が出されていながら、その依頼を放置しておくことはあり得ないことです。単なる監事の「任務懈怠」とは異なり、監事としての「作為義務を故意に放棄」した犯罪行為、不法行為に当たります。この場合の竹川監事が、「私は何もしていない」と主張することはあり得ず、何もしていないにもかかわらず、何もしないことが意図的な犯罪行為、不法行為とみなされることも、上記と同じ論理で「不作為犯」に相当する行為なのです。閉鎖的な社会では良くみかけることですので、注意が必要です。

政治や行政行為の中で「黙っていること」や意思決定過程をブラックボックス化することの行為に共通した法律課題として、「不作為犯」に関係する事件が意外に多いのではないかと考えます。

以上、事件性を簡単に述べました。私が「被害者」となっている事件は、これから然るべき行為を取ることになります。

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