一般社団法人における総会招集手続き

社団法人における総会招集手続き

一般社団法人山形県中小企業診断協会に対する山形地裁の判決

私が所属する山形県中小企業診断協会(代表理事:五十嵐幸枝)で、定時社員総会開催における
①総会招集手続き、
②社員議題提案権の取り上げ方
③定時社員総会における理事の選任決議

に関し、山形地方裁判所は3月11日、当山形県中小企業診断協会に対し、下記の厳しい判決を言い渡しました。。

【主文】
被告 一般社団法人山形県中小企業診断協会における平成26年6月28日付けの定時社員総会における五十嵐幸枝、菅井一雅、大沼彰、山口幸弘、渡部一彦を理事に選任するとの決議を取り消す。

以上から、平成26年4月1日から理事及び代表理事は不在となり、この日以降、新たな理事及び代表理事が選任されるまで、外部(第三者)と同協会との契約締結等の契約行為はできなくなっています。ご注意願います。


 定時社員総会の招集手続から理事選任の決議まで手続きでの注意事項

私がこれからお伝えしたい事項は、山形地方裁判所の判決に関する下記の事項です。

  • 平成26年(昨年)6月に決定した理事5人の選任決議が取り消されたこと
  • 総会招集手続きは、法が定める手続きによって行われなければならないこと
  • 社員議題・議案提案権に基づく社員からの提案がなされた場合は、特別の理由がない限り総会議案としなければならないこと

【教訓事項ーまとめ】

一般社団法人法に関しましては、平成20年12月施行後まだ6年余しか経っておらず、この法律の判例も少なく、私たちへの今回の判決は、間近の開催となっている他県の中小企業診断協会や他の社団法人の役員の方に参考になるものと思い、この文章を掲載しました。

私たちが得た教訓は次のとおりです。

  • 公益法人制度改革3法の一つとして成立した「一般社団法人法及び一般財団法人法」の立法趣旨を十分理解しておくこと
  • 社団法人の議決権は、株式会社のような資本団体の議決権とは異なり、議案毎にそれぞれの社員が平等に各1個の議決権を有しています。
  • 社員の理事立候補に制限を加えることはできません。
  • 理事選出員数が、定款で「何名以上何名まで」などと定めている場合でも、理事会等が選挙のたびに選出理事員数を変えることはできません。理事員数の許容範囲は理事会の選択事項として与えられているものではありません。
  • 社員総会が一元的に決定権を持っており、社員総会――>理事(理事会)――>代表理事及び業務執行理事へと、委任関係の連鎖により成り立っている組織です。当山形県中小企業診断協会の場合は、この辺の理解が全く不十分でした。
  • 理事選出選挙では、1立候補者分を1議案として考えます。1立候補者毎に議案扱いとなりますので、定足数の過半数の考え方が適用されます。
  • 当然のことながら、総会招集通知書の参考書類には、立候補者の名前を書いておかなければなりません。今回の判決でもこの点が厳しく指摘されています。
  • 投票用紙には立候補者毎に、賛成・反対の欄を設けておくことが必要です。白票(投票棄権)も意思表示の一つと考えられますので、投票用紙に「白票は賛成と見なす」と書いてあっても賛成としてカウントすることには疑問があります。
  • 立候補者全員分を対象として「一括投票」することは原則禁じられています。
  • 理事選出の場合の一括投票が許容されるには、少なくとも下記のいずれをも満たすことが必要です。
    1. 立候補者数が、定款で定める理事の上限員数を超えないこと
    2. 一括投票することについて、社員全員に異議がないこと(この辺が問題となりやすいと思います。)
  • 「書面による議決権行使制度」採用している場合は、通知・提示した議案は、当然のことながら総会当日提示される議案と同じものでなければなりません(今回の判決ではこの点が指摘されています。)。
  • ただし、総会時での緊急動議提出は可能ですが、その場合は「書面による議決権行使書面」に修正提案があった場合の取り扱いの許容文言が記入されていることが必要かと思います。
  • 法定の総会日の6週間前までに総社員の議決権の30分の1以上の議決権を有する社員から提案がされた議案は、原則、議案として採用しなければなりません。これに違反した場合には理事等に対する100万円以下の過料処分対象となります(今回もこれに該当しています。)。
  • 「選挙管理委員会」をかならず設けなければないと法人法には書いていはいませんが、当然のことながら「選挙管理」を行う者と理候補者とが同一の者であってはなりません。公正な選挙が維持できないからです。山形診断協会の場合はこの原則が守られませんでした。さらに普通では考えられないことですが、郵送による投票の場合の、記入済の投票用紙の送付先を立候補者の自宅とし、その開封を総会より前の日に立候補者が自宅で自ら行うということは、全くの問題外です。しかし、山形診断協会ではこの考えられないような事が実際に今でも行われています。もはやこれは制度や・法律の問題ではなく、人の問題です。

以上参考になればと思い、重要と思われる事項を列挙いたしました。

私が会員として所属している、(一社)山形県中小企業診断協会の運営事例が大変参考になると思います。理事会の暴走で、地裁判決により、理事全員の就任登記の取り消しほか、通常ではありえ得ないような事例が載っています。本人訴訟時の訴状の写し、判決書など、問題事例の証拠物などを掲載しています。参考にしてください。

「和多田コンサルタンシー」http://consulting.watada.biz/profile.html#koukai
参考にしてください。

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